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~舞台裏の幼馴染~


「なーなー今ってどのシーン撮ってんだっけ?」
「ヒロインと彼女の一騎打ち」
「一騎討ちて(笑)ヒロインもう一馬のこと好きじゃないってなったじゃん」
「これがキッカケで二人が仲良くなって俺が拗ねるんだろ?撮りいつだっけ?」
「予定通りなら三時間後」
「やっべ、台詞まだ入れてねえ」
「しっかりしろよある意味お前のターンだろ(笑)」
「つか俺ら4人揃うと英士が空気になるよな。メインなのに」
「逆に結人は大活躍だから俺的には楽しいけどな!監督にもっとアピールすれば?」
「別に良いよ。台詞少ない方が楽でしょ」
「メインが一番やる気ねえ(笑)」
「英士役にはぴったりじゃね?(笑)」


SCENE 43


「……どうして?」
「だって他の人だったらその子のこと好きになっちゃったなら仕方なくないって思える、け、ど……?」
「……」
「………ごめん、間違えた!もうちょっとだったのにー」
「良いよードンマイ。そうだ、今のとこあたし止まるのとそのまま歩いてるのとどっちが良いかな?」
「嫌って言われた瞬間に一瞬動きが鈍くなって、でもまた元のペースに戻るくらいが良いかも」
「おっけ、そーする」
「てことでもっかいお願いしまーす!」



~舞台裏も犬~


「このアイス食って良いと思う?」
「え、この後使うんじゃないっけ?餌付けシーンで」
「一個くらい良くね?」
「いやいや駄目でしょ怒られるよ」
「えーでも俺今アイスの気分ー」
「知るかそんなの。てか冷凍庫閉めて。電気代の無駄」
「ど、れ、に、し、よ、お、か、なっと!」
「スイマセンそこの人 人の話聞いてくれません?」
「あ、笠井ちゃんも食べる?」
「いらない。てかそれ役名だからしかも滅多に出てこない方の」
「よーしこれにしよ!」
「だから聞けよ人の話。…あーもうっ!後で好きなの選べるように監督に言っといてあげるからもう少しだけ待って」
「まじで?よっしゃ、サンキュ!俺次のシーン一発OK出るように頑張っちゃうもんね!」
「……犬」



~舞台裏アフター~


「お疲れさん」
「やーもーほんっとーにしんどいですー」
「口調移ってるぞ」
「だってこの口調癖になるんですよーほんと、普段も抜けなくて友達とかにイラッとするって言われたりー」
「あー…そりゃ困るな」
「…黒川さんは良いですよね、おっとこまえな口調ですし」
「口調に男前も何もあんのか?」
「ありますよーそんでもって玲さんみたいなのが素敵女子オーラ全開の口調ですー」
「なんだそれ」
「あたしも数年後にはあんな感じになりたいんですけどねー無理ですかねー」
「まずはその口調どうにかしねえとな」
「ですよねー。早いとこどーにかしないと今後の役にも影響が……ぐぬぬ、」
「ま、そんだけ役に入り込めてるってことで良いんじゃね?」
「!……流石兄にしたい男ナンバーワン役を掴むだけはある…!カメラ回ってなくても男前!」
「そりゃどーも」
「さらっと流すとこが更に男前…!次のシーンで最後なんて勿体ない…いっそ黒川さんメインにすれば良いんじゃ……」
「おい、それ翼に聞かれるとやべえぞ」
「おっとっと、今のはオフレコでお願いします今後撮影を円滑に進めてくためにも是非…!」
「そーしてやりてえのは山々なんだけどな、」
「…はい?」
「後ろ」
「………あっはっはー翼さんおはよーございますー今日も麗しいですねー」


このやり取りのお陰で鬼上司とヒロインの関係にリアリティが増したとかなんとか。



~舞台裏でないものねだり~


「俺のシーンが少ないと思います!」
「え?」
「親友のが出てね?しかも俺よりカッコ良くね?」
「女にダラシナイ若菜にあたしが負けるわけないじゃない」
「なにその俺が駄目みたいな言い方!ダラシナイのは役だから!」
「ふ、二人とも落ち着いて…」
「芝居とはいえこーんな可愛いあたしの親友を泣かすなんてサイッテイ」
「俺は台本通りに演技してるだけだっつの」
「書かれた通りの芝居しか出来ないの?はっ」
「おま、今鼻で笑ったな?笑ったよな?よおし表出ろ」
「泣かせてあげる」
「こっちの台詞だし」
「待ってよ二人とも…!もうすぐ休憩終わるのにだめだよ、ね?」
「…」
「……」
「この子に免じて許す」
「可愛い親友持って得したな」
「(喧嘩するほど仲が良いのかなあ…?)」



~舞台裏でうそぶく~


「なあなあそれって地毛なん?」
「はい、自前ですよ」
「え、ほんまに!?次んとこ髪切るのにええの?女の命ちゃうん?」
「NG出さないように頑張ります」
「おぉ気張りぃー…やのうて!綺麗な髪なんに勿体ないなあ……」
「ありがとうございます。それじゃあそろそろ時間なんで失礼しますね」


「嘘吐き」
「あ、お疲れ様です先輩」
「さっきは地毛でもこの後エクステ付けるだろ」
「嘘は言ってませんよ?」
「ほんっとイイ性格してるよね」
「その上を行くのが椎名先輩ですから、頑張ってくださいね?」
「さっさと優等生の仮面被れよ」
「セットしてもらいに行ってきます」



~舞台裏の五線譜~


五度目のNG


「ひゃー!ごめんごめんごめんなさーい!!」
「俺は大丈夫だけど……大丈夫?」
「じゃないよ!この歳になって抱っこされるとか耐えられない!無理っす隊長!!」
「そんな大袈裟な。ちょっと持ち上げるだけじゃん、一瞬だって」
「あたしの重さに耐えられずにピアノ屋さんがNG出すかもしれないじゃん!いーやー!」
「俺そんなに力なさそうに見える?」
「草食系代表に見える」
「そんなことないんだけどなあ……ほら」
「へ?え、…ええぇ!?!?何してんですか下ろしてください下ろして下ろして!」
「見た目通り軽いじゃん。次こそOK出してね、このシーン寒いんだから」
「ねえキミわたしのが年上ってこと知ってる?役は下だけど実際はわたしのが上なんだからね!」
「大丈夫、見た目はどう見ても俺のが上だから」
「馬鹿にしてんのか!くーやーしーいー!!」
「はいはいわかったから暴れないで。落とすよ?」
「すみませんっした!」



~舞台裏はひまつぶし~


「ねーねーさっきんとこどうだったー?アクションシーンすっごい頑張ったの!」
「かーわーいーい!(ぎゅ!)」
「うっせ」
「ねえなんであたしこの子と共演できないの?酷くない?」
「なんでも何もヒロインの子供時代役なんだからしょうがないだろ。てか俺らもできねえし」
「撮影日が重ならないのも酷い」
「効率良く進める為に年齢別に撮ってるんだよ、我慢しないと」
「…いつかお姉ちゃんと一緒に出れるかなあ?」
「かーわーいーい!(むぎゅ!)」
「さっきからうっせえよお前。ちゃんと会話してやれって」
「カメラ回ってないと騒がしいだけよね」
「役のスイッチ入ればあんなに格好良いのに」
「いつだって美少女な二人と一緒にしないでくれるー?」
「お姉ちゃんも綺麗だよ?」
「!!聞いた!?ここに天使がいる!」
「はいはいわかったから次お前の番だぞ」
「女の子との撮影が良いそれ以外は却下」
「元から男ばっかの現場で今更なに言ってんだ」
「次誰とだっけ?」
「鳴海」
「うっわむさ苦しい!華が足りない!!」
「むさ苦しくて悪かったな…!」
「同じロン毛ならサクちゃんが良かった……」
「桜庭ーヒロインから御指名だぞー」
「あんな心理戦もう嫌だ」
「ゆっるーいのにすれば良いじゃん。あるよきっとそんなシーンも。てかちびっこと共演したいみんな可愛い」
「犯罪には走るなよ」
「子役の翼に会いたい!」


本番お願いしまーす!


「……あいつがいると楽屋が騒がしいったらないね」
「あんな大人にはなるなよ」
「うん?」



~舞台裏の花紡ぎ~


「私いつまで花冠作ってれば良いんだと思う?」
「台本上がるまでじゃね?シーン空きすぎて現場の空気忘れるっつの」
「今何本出てるんだっけ?」
「今はこれともう一個。つってもメインはここだけなんだけど」
「そっか。でも重なってると大変じゃない?現場によって全然空気違うし」
「ここなんて特殊だし?(笑)」
「そうそう。私も私自身のことがよくわかってないから色々、ね?」
「待ち時間って暇だよなーほんと」

「お前らはまだ良いだろ」

「…あ、」
「ちーっす!そーいやお前まだ声しか出てないんだっけ?(笑)」
「次が出番だからって待たされてる」
「まじドンマイ(笑)負けんな(笑)」
「もうちょっと寝てくるから出番になったら声掛けて」
「うん。お疲れ」
「なあ、暇だから髪弄ってい?」
「どうぞ」
「ねっむー。お客さん痒いところはありませんかー?」
「それってシャンプーの時だよね?(笑)」