04/19 〜犬ヒロインの場合〜 「今日翼くんの家行くから」 「ちょっと、本人の了承を得る前に決定事項として報告しないでくれる?」 「だって今日ケーキでしょ?」 「、は?」 「あ、玲さんが呼んでる」 「おいっ!……柾輝、訳して」 「今日は翼の誕生日だから祝いたいんだろ」 「アイツが素直に俺の誕生日を祝うわけがない」 「即答だな」 「話の流れ的に目的はケーキか。…いや、それとも玲と一緒に食事ってところか?……」 「ねぇ柾輝、何で翼くん一人でぶつぶつ言ってるの?馬鹿なの?」 「…。プレゼント用意したのか?」 「あー………。わたし今日はマネージャーやっても良いよ」 飛葉中サッカー部の日常。 〜アフターヒロインの場合〜 「翼さんって誕生日あったんですねー」 「お前はボクをなんだと思ってるわけ?」 「一撃必殺エンジェルスマイルをお持ちの上司サマですー」 「ふうん、で?」 「えーとですねー、コッチに来てから長い翼さんが誕生日を覚えてるなんて流石だなーと。素晴らしい記憶力ですねーハイ」 「お前の脳ミソとボクとじゃ造りが違うからね」 「ですよねー。…あ、そーいえば翼さん何歳になったんですか?見た目は変わらないけどコッチに来てから何百年と経ってるから三桁はかる、……っ?!」 「ねぇ、」 「は、はーい」 「無駄口叩いてる暇があるならさっさと「お、姫さんこないなとこにおったんか」……何か用」 「おぉ怖っ!何時にも増して不機嫌やなあ」 「だから何。さっさと用件言えよ」 「せっかちは嫌われるでぇ?」 「…」 「そこの空気読めない金髪幽霊さん、さっさと用件言った方が良いですよー」 「相変わらずさらっと酷いこと言うねんな自分。ま、ええわ。ほな本題やけど、姫さん今日誕生日なんやろ?」 「……」 「いつまでもちっこいまんまやけど、ほんまのとこ俺よりどれくらい上なん?」 「……あ、」 「…なん?急に重苦しい空気なった気ぃすんねんけど」 「空気は読めなくても重さは感じるんですね藤村さん。そして今あなたが踏み潰したのは地雷ですおめでとうございますー」 「へ?、って、ちょっ!自分どこ行くん?一人にせんといてって!」 「ごちゃごちゃ五月蠅い金髪。黙って俺に殴られろ」 「まっ、椎名…!よおわからんが話せばわかる!」 「俺はお前の日本語が理解できないよ」 「……流石藤村さん、随分と体を張ったプレゼントだなー。…にしても翼、最上級の笑顔だな」 転生するまでの日常の一幕。 〜うそぶくヒロインの場合〜 「先輩の誕生日っていつですか?」 「訊いてどうすんの」 「お祝いしたいので」 「知ったところで祝えないと思うけどね」 「…もしかしてもう過ぎてしまいましたか?」 「当たり。次の誕生日は僕が飛葉を卒業した次の月だよ」 「四月……」 「その頃には僕のことなんか忘れてんじゃねーの」 「そんなに早く忘れたりしませんよ」 「へえ、でも忘れるんだ?」 「……。先のことなんてわかりませんから。だから、」 「今度の誕生日にわたしから椎名先輩へお祝いのメールが届く可能性だってありますよ」 「…僕のメアドも知らないくせに」 「そうですね。でも先のことはわかりませんから、先輩がわたしを嫌いにならない限り可能性はゼロではありません」 「……面白い。言っとくけど柾輝に訊くのは反則だぜ?」 「はい。黒川くん以外の人にも訊きませんよ」 出会って暫くしてからの話。 Happy birthday Tsubasa! |