誰も救えないことくらい、わかってた。



は変わらないね」

その言葉に、涙が溢れた。
変わらないのではなく、変われないのだ。
だってわたしは、変化を望むと同時に酷く恐れているのだから。
…あぁ、だけどね。

「少しは大人になったつもりだよ」

こんなわたしだけど、成長した部分だってあるんだよ。
お願いです。お願いだからどうか、わたしを否定しないでください。
今のわたしも過去のわたしも、わたしであることには変わりはないのだから――。

こんな風にしか受け取れないわたしを、赦してなんかゆわないよ。



「あ、ドングリー!知ってる?生のドングリって苦いんだよ」
「……一応聞くけど、食べたわけじゃないよね?」
「食べました。小学校低学年の時、帰り道に物凄くお腹が空いてて転がっているドングリを拾って齧りました」
「……」
「あ、でも正確にはすぐに吐き出したよ。すっごい不味くて、あたしリスじゃなくて良かったって思った」
「なんでリス?」
「当時のあたしにとってリスは只管ドングリ食べてるイメージだったから!」



当たり前が通じないのが当たり前



「ねぇ、あたしがケースケのこと好きだって言ったらどうする?」
「困る」
「どうして?」
「アイツ彼女いるし」
「知ってる」
「告っても振られるだけじゃん」
「そうだね」
「そしたらお前泣くだろ」
「…たぶん」
「だから困る」
「どうして?」
「だって俺、のこと好きだし」
「……知ってる」
「ケースケに振られたとこを慰めて点数稼ぐのも良いけど、好きな女が泣くのはやっぱ困る」
「…、……」
「だからさっさと諦めて俺にすれば」



いいこにしてるからお願いだよ
どうか誰かぼくを見つけて 透明になったぼくを。



さよなら未来



ずるいひと。
きみはわたしに、「  」ってゆうの?
わたしにはいわせてくれないくせに。

ずるいひと。
きらいになってしまいたいのに、いやなひとにはなってくれない。

ずるい、ずるい、ずるい、……でも、「  」。

しゅわりとあわになることば。
おとになるまえにあなたがふさぐ。

ずるいひと。
そんなやさしいかおをしないで。
わたしがあなたのてをふりほどくことのできるうちに、
どうぞわたしをつきはなしてください。



、何してんの?」
「ケーキを食べてます」
「泣きながら?」
「泣きながら」
「……俺、なんか言った方が良い?」
「いらない」
「わかった」
「…なんで隣に座るの?」
の顔が見えないから」
「…なんで頭撫でるの?」
が良い子だから」
「…。」
「そのケーキ甘い?」
「ううん。しょっぱい」
「そっか、斬新だな」


失恋で学んだこと。
いち、泣きながら食べるケーキの味はしょっぱい。
に、頭を撫でられるのは結構好き。
さん、あたしは良い子。
よん、アイツの笑顔は甘い。

その日の日記より一部抜粋。



きっとあたしは許されたいんだ。
いつだって誰かに、許されたくて生きている。