なんであのこあんなに可愛いんだろう。 普通にしてても可愛いのに笑顔とかもう反則だと思う。てか犯罪だと思う。 罪名はやっぱりアレですか?誘惑罪ですか?魅了罪ですか? あーあぁ、そんな小走りできょろきょろしてたら目が合った人みんなあなたに釘付けですよ。 そりゃ彼女持ちさんだって撃ち抜かれちゃうでしょーが。 …ってオイオイ、女の子まで見惚れてるんですけど。無差別発砲しすぎでしょう。 究極の可愛さの前では年齢の壁も性別の壁も笑顔一つでずきゅんだなこりゃ。 「!」 ……やば、撃たれた。 「有希さんあたし死にそうです」 「なに言ってるの?」 あ、その顔も可愛い。 「浮気は許すけど別れようとか言ったら殺すから」 「怖ぇな。そこは可愛くあたし死ぬからって言えよ」 「何であたしがアンタの為に死ななきゃなんないのよ」 「理不尽」 「別れなければ良いんでしょ」 はいけいわかなゆうとさま すきすぎてしにそうです ていうか、しんでもいい 「ねー今のなに。可愛すぎて俺が死んだんだけど!」 電車なのにうっかり電話しちゃったじゃん!やっべー視線が痛い。てか今から行くからちょっと待ってろ。 「……一度も喋らせてもらえなかった」 「あたしさー、偶に柾輝のこと殺したくなるんだよねー」 「…なんだ突然、物騒だな」 「自分の心に正直になってみた」 「じゃあその正直ついでにさっさと翼に好きって言えよ。俺のとこ来るから誤解されんだ」 「あ、今ちょっと殺意が湧いた」 「そりゃ怖い」 「その無駄に男前なところが憎い」 Because I love you! 「お、なになに俺の話してんの?」 「うっさい若菜呼んでない。つーかウザい」 「相変わらずキッツー。そんなんじゃ男にモテねぇぞ」 「余計なお世話だクソヤロウ」 「ちょっと今の聞いたさん?女としてどうなのこれ」 「に話しかけないでください」 「だったら俺に優しくしてください」 「何それ無理キモ」 泣きそうな顔してなに言ってんだよ。 その顔マジで不細工。俺以外には見せらんないね。 「もうマジ俺カワイソーじゃね?」 「こんな時間に付き合わされてる俺のが可哀想だよ」 「だって一馬電源切ってんだもん」 「……」 「ガハハ!ドンマイ英士!」 「五月蠅い黙れ」 「でもお前のこともちゃんと愛してっぞ!ま、が一番だけどな!」 「ウザい」 「守って欲しいなんて言ってない!」 あたしがいつそんなこと頼んだの? あたしってそんなに弱い?一人じゃ何もできないように見える? 大事に大事に守られるよりも、隣に並んで歩きたいの。一緒に進んでいきたいの。 「……守って欲しいなんて、言ってない」 「一馬、なんで昨日電源切ってたの」 「テスト前だったから余裕なくて切った。つーか相手すんの面倒だった」 「皺寄せが全部俺にきたよ」 「悪ぃ。だって結人の話長ぇんだもん」 「テスト後一週間は一馬担当ね」 「げ、」 雨の音は好きだけど嫌いだ。なんだか聞いてて痛いから 傘を差すのは嫌いだけど好きだ。顔を隠すことができるから だけど、こんな矛盾してる自分は好きだ。 「先生ー若菜くんが気持ち悪いです」 「治まるまで放っておきなさい」 |